変化の時代を生き抜くヒントを探るインタビュー企画「明日へつなぐ」。
目まぐるしく変化する現代社会で、何を信じて生きればいいか悩むことも多いでしょう。
このインタビュー企画では、多様な生き方をする個人にスポットライトを当てて、生きる知恵や、人生哲学に迫ります。
具体的な体験談を通して、前向きに一歩を踏み出し、明日へつなぐヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

もりくまさん

大阪在住・年齢(ヒミツ)
大型船のエンジニア➔りんご飴屋さん
https://www.instagram.com/morikuma.ringo/
心に残る1冊 『かもめのジョナサン』
10年間続けた船のエンジニアを辞めて、りんご飴屋さんを開業
前職は、船のエンジニア

海洋地球研究船 みらい ( 出典:Wikipedia )
前職の船のエンジニアは、どんなお仕事ですか?
JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の『海洋地球研究船みらい』という調査船に乗っていました。
大学の研究者たちが、海洋生物や海洋環境(大気・海水)の成分調査をするための船で、北極やパラオに行くことが多かったです。
その船のエンジンの保守管理が、仕事でした。安全な航海ができるように常に気を配ってないといけないので、150日連勤なども当たり前でした。
150日連勤・・・つらくなかったですか?
一つの航海が終わったら、30~50日の長期休暇もらえるので、自分には合っている働き方でした。
船のエンジニアになった理由も、長期休暇が取れることと、資格職でお給料がよかったからなので、つらくはなかったですね。
船に乗っている間は、どう過ごしていましたか?
休憩時間は自由に過ごしていいので、毎日筋トレをしていました。
シャワールームの横にマシーンがあって、勤務時間が終わったら、まず筋トレをしてからシャワー室へ行くのが日課。
あとは、通信大学に入って経済の勉強や、読書などをしていました。
インターネットはなかったですが、その分興味があることをアレコレやれる時間がありました。

自然が好きなので、オーロラやイルカの群れ、ホッキョクグマ、クジラ、マンボウ、クリオネなどを、目の前で見ることができたのも、嬉しかったですね。

長期休暇中は、どう過ごしていましたか?
昔から色んなことを経験したいという願望が強かったです。
一度日本に帰ってきても、海外旅行に出かけて、ほとんど日本にいなかった年もあります。
特に、ネパールとタイによく行きました。
ネパールで雪山を登山したり、現地の人と交流するのが楽しかったですね。

『 りんご飴のお店 もりくま 』開業
船のエンジニアから、りんご飴屋さんになった理由は?
10年間の実務経験ができたので、船のエンジニアは一区切りすることに。
ちょうどコロナも落ち着いてきたタイミングで、「新しいことにチャレンジしたい」という気持ちが芽生えていました。
エンジニア時代に青森に入港することが多く、「青森のリンゴは美味しい」という実体験があったことから、りんご飴屋さんのアイデアをひらめきました。

でも、飲食業界の経験はゼロ。
とりあえずイタリアンレストランでアルバイトをして、飲食業界について勉強させてもらいました。
やったことがない業界への恐怖心よりも、「やってみないとわからない」という思いの方が強かったです。
りんご飴屋さんは、どんなお仕事ですか?
1店舗目のオープンが2022年7月1日で、今は2店舗あります。

実はいま500日連勤くらいしてて、船の時よりも休んでないんです(笑)
でも、自分がやりたいことをやってるので、苦ではないですね。
糖度13~14%の高品質なりんごを使っているので、味には自信があります。
でも、まずは興味を持ってもらわないといけないので、SNS映えするメニューを開発したり、世界観にこだわって発信しています。
この仕事を始めてから、InstagramやTikTokなどのSNS運用もイチから勉強しました。

どんなお客様が来られますか?
SNSを見て来てくれる10~30代女性と、外国人観光客が中心です。
りんご飴を食べた方が、眼の前で「おいしい」って喜んでもらえるのは、ほんまに嬉しいですね。
「誰かの役に立つ」という意味では、船のエンジニアもりんご飴屋も同じかなと思っています。

まずは、ベッドメイクからでOK
新しいことにチャレンジするコツは?
新しいことを始めるのが、1番大変。
「始めたら、半分終わってる」って、よく言うじゃないですか。
始められない人は、自己肯定感が低いのだと思います。
だったら、自己肯定感を高めていけば、自然とチャレンジできるようになる。
最初は、小さなことから成功体験を積むことで、何でもできるようになるんとちゃうかな。

例えば、毎朝起きたあとにベッドメイクをちゃんとしたら、夜寝るときには、きれいなベッドができていますよね。
めっちゃしんどいことがあった日でも、ベッドメイクという成果が見えることで、「ベッドメイクした自分エライ!」って、少しずつ自信がついていく。
部屋がグチャグチャに散らかっていたとしても、ベッドだけはキレイだったら、そこをきっかけに他の場所も綺麗にしていけるようになるかも知れない。
まずは、小さなことからスタートするのがオススメです。
得意じゃないことは、人に頼る
自分に向いている仕事を、見つける方法は?
仕事って、誰かにとって負担に感じることを、得意な人が肩代わりすることだと思うんです。
世界中にすごい数の人間がいるから、得意じゃないことは人に頼って、自分が得意なことは伸ばして、誰かを喜ばせることができたら最高ですよね。
全ての項目で平均点とるより、200点とれる突出した得意なことに、真摯に向き合いレベルを上げていく。
一人ひとりが仕事とそういう向き合い方ができたら、すごくいいと思います。

私自身も、アイデアを思いついたり、お店の看板作りなど得意なことは自分でやりましたが、苦手な整理整頓は、妹に手伝ってもらっています。
SNS運用も、最初は全然わからなかったので、得意なお客さんに教えてもらいました。
「自分が他人より得意なことは、なんだろう?」
そこから考えていくと、向いている仕事が見つかると思います。
失敗しても、絶対にやったほうがいい
座右の銘は、ありますか?
特にないですけど、とにかく行動したほうがいいと思ってます。
後悔するのが、一番しんどい。
自分も含めて人間って怠惰な生き物だけど、とにかく行動しないともったいない。
人生が何回もあるんだったら、次の人生でやったらいいですけど、来世があるかもわからない。
人生1回きりやから、とりあえずやらんとね。
失敗しても、絶対にやったほうがいい。

2024年2月27日 取材:桜ちはる
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